今週のお題「冬のスポーツ」
ウィンタースポーツ唯一の経験はミニスキーとソリである。2つじゃないかというツッコミはなしだ。
私の幼少期の話だ。
家の目の前は坂道だった。
斜面に家々が立ち並ぶ、古い住宅地だった。
道路は、斜面の下方に横の道路があり、そこから垂直に3つの坂道が平行に上っており、坂の上にはまた下の道路と平行に道路が走っていた。漢字の「皿」みたいな感じだった。皿では坂道が4つか。皿の縦を1本減らしたかんじ。
我が家は、真ん中の坂道の一番下の家だった。
第2次ベビーブーム末期生まれなので、子供がたくさんいた時代だった。
近所に2人兄弟の家が5~6件あり、気の合う子供たちでよく遊んでいた。
夏はゴムとびやなわとび、バドミントン、冬は、そう、ミニスキーとソリだ。
あまり雪の降らない地域ではあるが、年に1~2度ぐらい積もる日もあった。
ある時、雪がたくさん降った。まだ小学生だった近隣の子供たちで、ミニスキーが流行った。数十センチ程の短いスキーで、ストックがあったかは忘れてしまった。近所の駄菓子屋で300円ぐらいで売っていた気がする。
小学生の中の年長のお兄ちゃんがいた。私が勉強している中、楽しくキン肉マンや北斗の拳を見ていた隣家のお兄ちゃんだ。
どこで見聞きしたのか、きっと冬季五輪があったのだろう、そのお兄ちゃんが「この坂道にジャンプ台を作ろう」と言い出した。
果たして、坂道の途中のど真ん中に、雪で固めた小さなジャンプ台が完成した。
道路は圧雪で、せいぜい雪の轍に取り残された程度のジャンプ台だった。
当時は車のタイヤもスパイクタイヤだったので、問題はなかった、んだと思う。
近所の子供で次々と小さなジャンプ台めがけて滑降し、僅かな浮遊感を楽しんだ。
この坂道は、夏場は三輪車で下り、足ブレーキで止めるという危険極まりない遊びをしていたので(別エントリで書いたかは忘れた)、横の道路から車が来ないかを見張る役割など分担は完璧だった。さながら、ジャンプ競技の風向きなどを見極めてOKサインを出す審判のように、坂の下の見張り役は「いいよー!」と叫び、キャーとか叫びながらスキーでジャンプしていた。ソリでも同じことをやった。
今考えると本当に危険極まりない。
それぐらいしか、冬らしいあそびをしたことがない。
そんなわけで数少ないウィンタースポーツの経験は、手作りジャンプ台でのミニスキーとソリということになる。
と、いうのを、今季の五輪で金メダルを取った小林陵侑選手を見て、思い出したとか思い出さなかったとか(どっち)。