今週のお題「わたしの部屋」
数年前、1Kの新築アパートを借りた。
家具類を一から全部そろえてみた。
本当は、闇の魔女みたいな真っ黒いゴシックな部屋にしたかったのだが、叶わなかった。
家具を拘って揃えるのはかなりの予算が必要だったからだ。
床だけは、白黒の格子柄のクッションフロアを探して見つけ、洋室に敷き詰めた。
余ったクッションフロアは台所や玄関先にも貼り、満足のいく仕上がりになった。
黒い家具はあまり売っていなかった。白い家具はまあまあ見当たった。
白黒でそろえたかったので、必然的に安価で近所に販売されている白い家具が増えていった。
闇の魔女を目指していたはずの部屋は、白いものがどんどん増え、その後にそろえた家具も、どちらかというと白を基調としたもので、そんなにゴスではなかった。
部屋の中で大きな家具と言えばベッドだから、ベッドカバーをゴスっぽい柄にした。これは結構気に入って、今も使っている。
カーテンは、濃いめの赤紫でこれまた中途半端にゴスだった。黒いカーテンが見つけられなかったのだ。極力ゴスに近づけたくて、百合の紋章っぽい形をしたカーテンクリップや金のロープみたいなタッセルを100均で買って付けた。
どうにも中途半端だった。
新築だったので、壁紙(クロス)は新品だった。当たり前だが。
アイボリーの落ち着いた色合いで、建具の木目とマッチしていた。
なのに、床は白黒、ベッドカバーはゴスい感じ、カーテンは赤紫…。
何より、照明器具が明る過ぎた。普通の天井に設置するシーリングライトが備え付けてあり、薄暗いシャンデリアにしたかったのに真逆だった。
高くて買えないゴスっぽい家具の通販サイトを眺めてはため息をつくのだった。
やがて、落ち着いた木目とコントラストのきつい白黒の仲を取り持つように、ナチュラルカラーの物も増えていくのであった。
こだわりの部屋を作りたいときは、計画的に。